杉農日記

令和4年度 修了式

 

本日、修了式が行われました。

生徒のみなさんはどんな一年だったでしょうか。

コロナとの付き合い方も変わり始め、杉農らしさがより戻ってきたような気がします。

 

 

本日の本校は、ユキヤナギがいい香りを漂わせ、スミレやタンポポがにぎわい、スギナが芽吹き始めています。

サクラは来週には満開を迎えそうです。

(青紫のムスカリは園芸品種なのでだれかがおいてしまったのが出てきているのかもしれません…いい色です。)

 

 

以下、校長講和です。

 本日、みなさんに通知表が渡されます。

 今回の成績は、今年度1年間のみなさんの学習成果を示しているものです。

  これから進路を決定していくうえで、大きな材料となります。

  今年度の、みなさんの取組や頑張りは、いかがだったでしょうか。

  通知表を受け取り、努力の成果が見られ、さらに自信が持てた人、またはその逆で、結果が思わしくなく、努力不足だと感じる人など様々だと思います。

 3学期の始業式でも話しましたが、こうして1年間の成果が数字で示されましたので、何が良かったか、何が悪かったのか、どうすればより良くなるのかなどしっかりと振り返りを行い、4月からの新たな学年で、力が十分発揮できるように春休み期間を大切に過ごしてください。

 さて、本日は「課題研究」について話をしたいと思います。

 1月31日に3年生による課題研究発表会が行われました。課題研究は、3年生で週4時間行っている授業です。

 各学科の専門的な学習を行っている中で、自分自身で課題を見つけ、原因を探し、解決策を考え、実証していくもので、大学の卒業論文のようなものです。

 課題研究は専門科目の総まとめのような科目であり、農業に関する知識や技術が身につくばかりではなく、 これからの社会を生きていくうえで必要とされている「課題解決能力」や「他者と協働する力」などを身に付けることができる科目です。

 課題研究を行う上で特に重要なのが、課題の設定です。

 課題の設定がしっかりできていないと、原因を見つけることができなかったり、解決策が不十分になったりします。 

 課題を発見する力(課題発見力)が大変重要です。

 課題を発見するためには、基礎・基本をしっかり身に付けることと、日頃から自分自身のアンテナを高くすることが必要です。

 アンテナが高ければ、自然と「不思議に思うこと」や「疑問に思うこと」など課題が見えてきます。

 アンテナの高さは、興味・関心の高さに関係しています。

  普段行っている授業がわかる・できると授業が楽しくなり、興味・関心が高まります。

  授業がわかり・できるためには、基礎・基本をしっかり身に付けることがとても重要です。

  何事も、最初はわからず・できずに苦労しますが、わかってきたり、出来てくれば自然と楽しくなるものです。

 例えば、みなさんは、授業の実験や実習でよく観察を行うと思います。

  観察を行い、じっくりと見ることで、ものを見る解析度が高まり、小さな変化にも気づくとともに観察を行っている植物などのことが分かってきます。

  観察やスケッチなどの地道な努力を大切にしてください。

  課題研究は、自分の興味・関心があることに、週4時間も使って、取り組める、このような授業は他にありません。

  課題研究を楽しまない手はないと思います。

  3年生で課題研究を楽しむためにも。

  1年生は春休み中に復習を行い基礎・基本をしっかり身に付けてください。

  2年生は、春休み中に自身のアンテナを高くし、自分の取り組みたい課題を探してください。

  地道な努力は基礎・基本を身に付けるだけではなく、多きな成果につながることがあります。

  そこで、SDGsを視点として、地道な努力により大きな成果を上げた例と最近、私のアンテナが捉えた話題を紹介します。

  まずは、地道な努力が大きな成果を上げた例です。

  みなさんはこの4月から始まる、NHKの連続テレビ小説をご存じでしょうか。

 「らんまん」といい、植物学者の牧野富太郎がモデルになっています。主演は神木隆之介さんです。

  牧野富太郎は、1862年に誕生し、日本の植物学の父と言われています。

 長年にわたり、日本中を駆け回り、植物の観察や研究を行い、50万点の標本、命名した植物は、1500にもなります。

  昭和15年に刊行した「牧野日本植物図鑑」は、現在でも多くの人たちに活用されています。

  本校の図書館にもあり、課題研究をはじめとして利用されています。

 この図鑑のすごいところは、すべてイラストで描かれており、葉のつき方、枝分かれの仕方、根元はどうなっているか、など、意外と写真では分かりにくいことも多いのですが、植物の細かい部分や、つくりが分かりやすく描かれています。

 植物に対する、強い関心と、植物に対する深い知識があったからこそ、わかりやすいイラストが描けたのだと思います。

 みなさんも授業でスケッチなど行う際には、じっくりと観察してみてください。

 そうすれば、自然と植物などを見る解析度が高まります。

 解析度が高まると、いろいろなものが発見でき楽しさが膨らみます。

 また、牧野富太郎の有名な言葉に「雑草という名の草はない」というものです。

 植物の世界には千差万別の多様性があり、それぞれに大いなる価値を認めていることを示したものです。

 雑草という言葉の持つ、価値がないとか不要だとかではなく、現在のSDGsの考え方の一つである、

  人間と自然環境がどう向き合っていくか、一つしかない、この地球で暮らし続けられる「持続可能な世界」を実現することの必要性を当時から持っていたのだと思います。

  次に最近、私のアンテナが捉えた話題を紹介します。

  それは、おやさいクレヨンです。

 おやさいクレヨンは、お米と野菜から作られたクレヨンです。

  小さな子どもも安心して遊べるように、米ぬかから採れた米油とライスワックスをベースに、収穫の際に捨てられてしまう野菜の外葉などを原材料に着色したものです。

 また、野菜の色を補う顔料にも食品の着色に使われるのと同成分のものを中心に採用し、万が一、口に入れても問題のないように、できています。

 これを開発したのは、青森県のmizuiro(みずいろ)株式会社 代表・木村七保子(きむら なおこ)さんです。

  木村さんは、もともとグラフィックデザイナーとして自宅を拠点に、仕事と子育てを両立していました。

  2011年の冬のある日、夕飯の支度をする中で野菜が持つ色の鮮やかさを再認識した木村さんは、「野菜の色で絵を描いたら美味しそう」とアイディアの原石をつかんだそうです。

  その後、規格外などの理由で廃棄される野菜が多いことを知ったことで、青森県産の廃棄される野菜をリユースできないか考えるようになりました。

  現在、試行錯誤の結果、青森県産の野菜を使用、リサイクルから生まれたのは10色で、「ユキニンジン」「りんご」「ネギ」「ナガイモ」「ゴボウ」などの色があります。

  祖父母から孫へのプレゼントや出産祝いのプレゼントなどに多く購入されているそうです。

  テレビや雑誌などで取り上げられ、話題となり、数々の賞を受賞しています。

 この事例は、SDGSを視点として邪魔者、厄介者としていたものを、発想を変え、資源として私たちの生活を豊かにするものに変えた農業に関する事例です。

 この他にも、農業の抱える課題やその解決策となるヒントはたくさんあります。

 ぜひ、みなさん自身のアンテナを高くし、課題を見つけたり、解決のためのヒントやアイディアを見つけ課題研究に活してください。

 春休み中に、これまでの学習の振り返りを行うとともに、課題研究の材料探しをしてみてください。

 みなさんの素晴らしい研究を今から期待しています。

 最後になりますが、感染防止対策や健康管理、交通事故に留意し4月の始業式でみなさんと元気に会えることを期待します。

 出典 https://oyasai-crayon.com