2023年1月の記事一覧
3学期が始まりました!
あけましておめでとうございます。
温かな日差しの中、3学期が始まりました。
2023年が良い一年になしますように。今年もよろしくお願いいたします。
連絡の中で、教務主任からは課題等、提出期日に気を付けて取り組むこと、
生徒指導主任からは心の変化に気を付け、相談をすること、
成人年齢の引き下げに伴い責任やできることを気を付けること、進路について考えること等の話がありました。
以下、校長講和です。
新年あけまして、おめでとうございます。
大きな事故もなく、こうして皆さんと会えることができ、うれしく思います。
新年を迎え、皆さんは今、どのような思いをもっているでしょうか。
2学期の終業式で、振り返りを行い、3学期に望んでほしいと話をさせてもらいました。
皆さんの中には、新年を迎え、将来の夢や希望を達成するために、誓いを立てた人もいると思います。
3学期は、学力検査(入学試験)などもあり、とても短い期間になります。
特に3年生は、2月から、家庭研修に入り、学校に登校する日数もわずかとなります。
3学期は短い期間ですが、3年生は、3年間のまとめと、新たな進路先で、スムーズにスタートが切れるように必要な準備を行ってください。 1、2年生は、1年間のまとめと、卒業後の進路を考えつつ、次の学年の準備をしっかりと行ってください。
本日は、1年の初めですので、将来の目標を考えるうえで、大きなウエートを占める仕事について、話をしたいと思います。
本校の進路指導では、高校卒業後の進路を考える時に大切なことは「将来、自分がどんな仕事をしたいか?」という視点を持つことが重要で、進学を考える人にとっても「将来の仕事」について考えてみることが、進路選択の手がかりになる。それは、いずれも誰もが仕事(職業)につくからだと指導しています。
特に、仕事イコール社会の役に立つこと、などよく耳にすることがあると思います。
仕事は、単にお金を得て、生計を立てるばかりではなく、仕事をすることが、社会への貢献につながります。
これから仕事に、関する話を2つ紹介しますので、皆さん自身の働くうえでの心構えや将来の進路について考える参考にしてください。
1つ目は、近江商人の話です。
企業の平均寿命は、以前は30年といわれていましたが、2021年は23.8歳でした。
社会の変化が激しい中、企業を存続させるのは大変な環境になっています。
日本では、創業100年、200年の企業数で世界1位であり100年以上の企業のうち、半数近くが日本の企業となっています。
長寿企業の秘訣の中に、近江商人の哲学である「三方よし」にあるという考えがあります。
近江商人は江戸時代から明治時代にかけて、大阪商人、伊勢商人とともに三大商人といわれ、現在の滋賀県にあたる近江国出身の商人です。 現在近江商人の流れをくむ企業には、西武鉄道、日本生命、高島屋、トヨタ自動車など日本を代表する企業がたくさんあります。彼らは、地元の特産品を全国各地に売ることで発展してきました。
近江商人の理念の一つに「三方よし」というものがあります。
これは「買い手よし、売り手よし、世間よし」と言われ、「商いは自らの利益のみならず、買い手である顧客はもちろん、世の中にとっても良いものであるべきだ」というものです。信頼を得て商売を成功させるためには、私利私欲のためだけではなく、その地域のことを心から想い、地域に貢献することが必要だという考えが根底にあります。さらに、地域への貢献については、見返りを求めず、人知れず行うことをよしとしていました。
企業の社会貢献の先駆けであり、なぜ長寿企業となりえているかがわかるかなと思います。
皆さんも、学校で培った様々な力をどう活かすべきかを考えるとともに、将来仕事をする上での参考にしてください。
2つ目は、ディズニーランドで働くキャストの話です。
これは、ディズニーランドで有名になったエピソードなので、知っている人もいるかもしれません。
その話は、若い男性キャストが真冬の夜中、人気のない広大なオンステージのトイレで、便器に向かって「おい、ミッキー。お前さん今日はずいぶん汚されちゃったな。これから俺がきれいにしてやるからな。」などと話しながら、楽しそうに清掃をしていた時の話です。そこに人事担当役員や部長がパーク全体の見回り確認のために通りがかりました。何も知らない役員が、そのキャストの精神状態を心配し、「彼は大丈夫か?」というと人事部長は「あれはアメリカのディズニーランドで正式に教えている方式なんですよと答えました。
そのキャストもかつて、夜の清掃を担当するナイト・カストーディアルの仕事に就いて広いオンステージのトイレ掃除を担当するようになったとき、心細くなったといいます。
周囲には動きを止めた機械仕掛けの人形たちの収まる建物が立ち並び、東京湾からの波や風の音だけが聞こえる静寂の中で、一人でトイレ掃除をしていると情けなくなり、将来が不安になってきたのでした。そんとき、カルフォルニア・ディズニーランドには、自分と同じ仕事についている素晴らしいキャストがいることを知り、彼らがなぜ誇りをもって仕事を続けているのか、その理由が知りたくなったのです。そこで年に1回、会社が主催しているカリフォルニア・ディズニーランドの研修ツアーに応募いたしました。
現地に着くと、ナイト・カストーディアルのキャストを紹介してもらい、「深夜のトイレ掃除は寂しいし、怖くてやめようと思っている」と打ち明けました。するとカリフォルニアのキャストは、次のように答えました。「なんでこんなに素晴らしい仕事を辞めようと思うの?僕は全然怖くなんかないよ。だって、ここに並んでいるのは僕の友達だもの。君にも紹介するよ」そう言って、自分で名前を付けた便器を端から紹介し始めました。カルフォルニアのキャストは、真剣に便器に向き合い、一つ一つと会話をしながら紹介をしてくれます。
はじめはばかばかしいと思っていた彼も、次第にその熱意に体が熱くなってきたといいます。最後に彼は、「もう一度チャレンジして、必ず自分の仕事にしてみせる」とカルフォルニアのキャストに伝えて別れました。
それから数か月後、彼はトイレ掃除に遣り甲斐を見出し、その後作業指導者として多くのキャストを教えるようになったそうです。
希望する企業に入社したからと言って、自分が思い描いた仕事ができるとは限りません。なぜ、その仕事が必要なのか、なぜ、それを行わなければならないのか、自分自身で遣り甲斐を見つけ出すことで、仕事をはじめ様々な取り組みに対する自分自身の姿勢が変わってくると思います。学校での学習も同様です。なぜ、学校で勉強するのか、なぜ勉強が必要なのかを考えてみてください。考えることで、学校生活に対する姿勢に変化がみられると思います。
3学期は短い期間ですが、締めくくりとなる3学期を、感染防止の徹底を図るとともに事故無く、充実したものにするためにも、1日1日を大切にしてください。
出典:小松田勝 著 「人の心に魔法をかける ディズニーランドの教え」